日本基督教団御殿場教会  United Church of Christ in Japan Gotenba church

善いものとして

説教

タイトル :「善いものとして
聖書   : 創世記1:1-31 新明解カテキズム問6-7
年月日  : 2018-6-3
 今日も新明解カテキズムの問いと答えをふまえて、神様の言葉に聴きましょう。
問い6「聖書は私達の世界と人間について、どのように語っていますか」。答「私達
の世界は、神様によって何もないところから、善いものとして造られました。特に
人間は、神の似姿として造られました」。
 創世記では、神様が語った言葉が出来事となって現われます。神様は言葉一つで
世界のすべてを造られました。しかも「何もないところから、存在を造り出した。
無から有を造り出した」。これは全能である神様にしか、できないことです。だから
神様は、万物の造り主です。そして神様はご自分が造られたものをご覧になるたび
それを「善し」としました。
人間も神様に造られたのですが、でも他のものとは決定的に違う点があります。
「神様に似せて、神様にかたどって、人間が造られた」と言う点です。これは
どういうことか。27節は「神はご自分にかたどって人を造られた」と言っています。
ここの原文は「神の像に従って人を造った」となっています。「像」と言う言葉には
「形、似姿」と言う意味もあります。そこでカテキズム問6の答えは「人間が神様
の似姿として造られた」と言っています。
でもこのことは、「神様そっくりに人間が造られた」と言うことではありません。
「神様の言葉、神様の意志、神様の御心に応答する者、神様に聴き従う者と
して人間は造られた」ということです。また「神の像」をもつ者として造られ
たので、人間は神様の栄光を、世界に映し出せる」ということです。従って、
人間は、他の被造物とは、最初から造られた目的が、全く違います。だから
神様は人間だけに「あなたたち」と親しく語りかけるのであり、神様の言葉によっ
て造られた世界を支配するようにと、人間だけが神様から任されています。
 創世記によると、神様は6日間で世界と人間を造った後、すべてをご覧になって
「見よ、それは極めて善かった」と言われました。神様が造られたすべてのものは、
善いものとして造られ」ましたが、「善かった」とは単に「うまくできた」という
ことではありません。世界も人間も「神様の目に美しく、喜ばしいもの、神様
の秩序にふさわしく、神様の御心を満足させる極めて善いもの」、言い換えま
すと、「完全に神様のもの、神様に属するもの」として造られた言うことです。
「善いもの、神様のものとして」造られた世界と人間は、神様の前で生き始めます。
特に神の像を宿した人間は、神様に聴き従い、神様の栄光を世界に表しながら働く
「特別に善いもの、完全で喜ばしい者、神様に属する者として」誕生したのです。
 そこで問7「人間はそのような善いものとして生きていますか」。答え「いいえ、
人間は、神様に背いて、善いものとして生きることができなくなりました。それが
罪です」。
「人間は、神様をこの世に表す善いもの、神様のものとして造られた」のですが、
それは長く続きませんでした。人間が神様に聴き従うこと、神様のものであること
を止めたからです。
 創世記3章では、人間が罪に落ちる過程が書かれています。神様が「食べるな」
と禁じていた「善悪を知る木」から取って食べるよう、蛇は人間を誘惑しました。
誘惑の言葉は「目が開け、神のように善悪を知る者となる」(創世記3:5)でした。
「神のようになる」。蛇が語ったのは、とても危険な言葉でした。しかし人間は
誘惑の言葉にのって、神様の言葉を無視して、神のようになることを望みました。
「神のようになる」「神のようになりたい」。ここに、すべての罪の原点が
あります。人間が神のようになることを願う時、本物の神様はジャマです。神様を
捨てます。神の像も捨てます。神様との関わりを断ちます。自分の力で神になろう
とします。そして自分の欲望、自分の願いを、自分の実力で次々と実現することを
願って生きて行きます。「神に頼るのは、弱いヤツのすることだ」と言って、多くの
人が、「神様に頼るよりも、自分の力でうまく生きてみせる」と思い上がっています。
「自律」や「自己実現」という頼もしい目標に向かって、我が道を行きます。でも
我が道を行く時の便利な杖を、ちゃっかり握っています。商売繁盛、無病息災など
と言った「ご利益」の杖。これらはすべて偶像、ニセモノの神々です。
偶像は色々あっても偶像の正体は、皆同じ。人間の欲望です。だから欲望の
数だけ偶像があります。金銀で作った美しい偶像もありますが、でもそんな偶像は
大したことはない。最も厄介で、手ごわい偶像が、「自分という偶像」です。
蛇がささやいた「神のようになる」と言う言葉に心を奪われ、誰もが皆「自分を
神とする偶像礼拝の罪」に落ちました。1人の例外もいません。
 「信仰者だから偶像礼拝はしない」と言いますが、信仰者でも、神様の言葉より、
自分の言葉を重んじる。神様の力より、自分の力を信じる。神様の計画より、自分
の計画を優先する。神様の御業より、自分の業績を誇る。神様の正しさより、自分
の正しさを信じる。神様の時を待たずに、自分の時で動き出す。 
信仰者だから礼拝に行き、祈るけれど、そこで求めているのは、「神様のための
自分」ではない。「自分の望みを手助けして働く奴隷の神」。自分の主義主張
に賛成して、自分の欲を正当化してくれる「自分に都合の良い、自分のため
の便利な神」を求めて拝んでいる。その時、信仰者でも自分が主となり、神に
なっています。
もちろん、本物の神様にはなれないから「神になっているつもり」だけです。
これが私達人間の現実の姿、空しい罪人の姿です。しかし自分が神になったつもり
でも、自分で自分を救うことはできない。神の国、永遠の命に、自力でたどり着く
ことはできない。行きつく先は「永遠の滅び」「最悪の結果」でしかない。悲劇です。
 せっかく神様の御心を満足させる「善いもの、神様のもの」として造られた
のに、真の神様を捨てて、自分が神になった途端、人間は「神の像」を失い
ました。神様の似姿ではなくなり、神様の栄光を世に表す務めを果たせなく
なりました。人間の姿はしていても、神様が造り、ご覧になった時の「善いものと
しての人間・神様に属する人間」ではなくなりました。十戒の第1と第2で、偶像
礼拝をきびしく警告している意味がここで、ようやく分かって来ます。
 では神様は罪に落ちた人間を「自業自得だ」と見捨てるのか。それを「善し」と
しないのが本物の神様です。聖書が証する本物の神様は、捨てられ、滅ぼされても
当然の罪人の救いのために、どこまでも本気で「全能の愛の力を働かせる神様」
なのです。
 「神の像」を失って、「善いもの」ではなくなった罪人を神様は救う。どのように?
 「神の像・神の似姿」を、すべての肉なる人間は失いましたが、ただ1人
だけ、「神の像・神の似姿」を完全に保っている方がいました。「神の似姿で
あるキリスト」(2コリント4:4)。神様がこの世に送った、「肉となった神様の
言葉」、キリストです(ヨハネ1:1,14)。神様は完全な「神の像・神の似姿」である
キリストをこの世に送り、キリストを罪人に与えました。自分が神になるために、
手離した「神の像」ですが、神様は、罪人の中にキリストを送りこむことに
よって「神の似姿として造られた人間」を、もう1度、回復させるのです。
 キリストは、父なる神様の救いのご計画に従順に従います。十字架につけられた
キリストは、すべての人間の罪を引き受けて、それと交換に、ご自分の中に
ある完全な「神の像」を罪人1人1人に、分け与えます。そうすることで、
キリストは私達人間を「神様の似姿であり、善いものとして、新しく再創造」
なさるのです。
 人間はこんなバカらしい交換はしない。でも神様は人間ではないから損得勘定も
なく、キリストを十字架につけてまで罪人を救います。「愛は(神様は)自分の利益を
求めない」(1コリント13:5)と言っている通りです。
神様の全能とは、愛されるに値しない者さえ愛することができる全能です。
他人事のように言っていますが、私も間違いなく「愛される資格もない者も愛する
神様の愛の全能」のおかげで救われている罪人の1人です。
 キリストは「罪を犯さない善いもの」と言うだけでなく、私達の罪をとり
なして赦し、愛と共に尊い「神の像」まで罪人に与えてくださる「最も善い
もの」です。それは、キリストが、最善である父なる神様と1つだからです。
私達は神様からキリストを信じる信仰を与えられて、何度も罪の中から救われて、
自力では決して実現できない「復活のキリストに似た、最も善いものとして
永遠に生きるようにと」、日々、新しく造り変えられて行きます。ここに、
本物の神様の愛の奉仕があります。罪人の救いのために最も低くなることが
できるキリストの愛の奉仕があります。
「キリストを受け入れた信仰者が、キリストに似姿にされる」。これは神様の約束
ですから、聖霊の助けによって、神様の約束が必ず実現することを、私達は希望を
もって待ち望むことができます。その約束を記している聖書箇所の1つです。
 「私達は皆、鏡のように主の栄光を映し出しながら、栄光から栄光へと主と同じ
姿に造り変えられて行きます。これは主の霊の働きになることです」
(2コリント3:18)

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